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「つくもなす物語」 [読書]

先日のブログで、「安土城の幽霊」という本を取り上げましたが、
この本には3話入っています。
「安土城の幽霊」の他に、「藤吉郎放浪記」と
「つくもなす物語」の2話です。

「藤吉郎放浪記」は、ご存知豊臣秀吉が藤吉郎と名乗った頃、
松下源太左衛門なる地方の有力者に見つけられ、
信長に仕え始める頃の話から大坂城の主になるまでの話である。
特異な能力の持ち主だったのだろうが、後世に作られた話も
多いのではないか。
この話には、「信長の草履を温めて褒められた」くだりはない。
「太閤記」にもいろいろあるようだし、山田風太郎が書いた
「夭説太閤記」なる本を随分前に読んだことを思い出した。
この時代のことは、今となってはわからないことだらけなので、
結構いい加減な内容で、面白おかしく書いても誰からも文句は
出ないだろうから、自分でも物語を書けるかなって思ってしまう。


もう一つの話は、「つくもなす物語」。
この茄子は話とは関係ない賀茂茄子ですが、
物語に出てくる天下壷は、こんな形の壷のようです。
茄子.JPG

九十九茄子(つくもなす)とも書くようだが、足利義満が偶然
見つけた明から入ってきた小さな壷をめぐる話。
義満はこの壷のとりこになり、天下人として暮らすが
その後、夫人の死の後、自分も原因不明の病気で死んでしまう。
そして、足利義政や松永久秀を経て、信長の手に渡る。
天下をとれるが長い間所有すると不幸(付喪神:つくものかみ)が訪れる
「天下壷」は有名になり、その信長も本能寺で光秀の謀反により
天下壷もろとも亡くなってしまう。
しかし、信長の遺骨も天下壷の焼けたのも出てこない。
その後、焼けた天下壷を手にした秀吉が大坂城で亡くなり、
秀頼が大坂夏の陣で滅ぼされて、燃え上がった大坂城から
家康が探させた天下壷、本能寺と大坂城と2回火事に会っているが
「二度焼け」はしていないとの鑑定。
とすると、本能寺では信長はこの天下壷を持ち出して、どこかに
脱出していたのでは、という勝手な推測も出てくる。

ということでこの壷は、岩崎弥太郎の所有を経て、現在は世田谷区にある
岩崎家の所蔵品を展示する静嘉堂文庫美術館にあるそうです。
この壷を見てみたいが、祟りがあるからやめた方がいいか、
とか思ったりしますが、はなはだ胡散臭い話ではあります。


2013-08-12 16:05  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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