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「あい」永遠に在り [読書]

高田郁さんの、「あきない世傳 金と銀」がまだ出ないので
棚を見ていたら、高田郁「あい 永遠に在り」という本がありました。
あい.jpg

あい裏.jpg

読んでみたら面白い。
幕末から明治にわたって医師になった関寛斎の妻あいの話であった。

山桃の木をモチーフとして、あいに重ね合わせる。
プロローグで出てくる山桃と、最終節であいが山桃の木になって
寛斎に抱かれる、というよくできた設定。
食べるのもやっとという時代に苦労の連続や、娘たちを亡くすにも
かかわらず、小さな幸せをみつけて前を向く。

実在した関寛斎という蘭方医師の妻のことが書いてある資料は
少ない、ということだが、いろいろ調査したり、想像で作ったり
してできた本のようですが、すばらしい。

銚子のヤマサ醤油の濱口梧陵の話もいい。
稲むらの火で津波から人々を救った話、
事業で儲けた財を医療などに還元しようとした志、
など、改めて調べてみるとよくわかります。
誰とは書きませんが、日本にもネット商売などで莫大な利益を
得た現代の成金が、少しでも世の中に役に立つような
支援や社会還元をすることはないのだろうか。

戊辰戦争での医療で活躍しても、財や名誉には目もくれない。
寛斎とあいは、老後に子や孫の世話になる道を選ばず、
北海道の開拓の道を選び、半ばで果てる。
日本で最低気温を記録することで有名になった陸別町のHPの
歴史として関寛斎のことが書かれてあり、
街の唯一の医療機関として、関寛斎診療所があるとも書いてあります。

気になったので、山桃をインターネットで調べてみたら
花言葉は「ただ一人を愛す」「一途」。
そういうことで、高田さんは山桃を登場させていたのか・・。
読まないとわかりませんが、史実に想像を加えてできた
本当に良くできた本です。


2022-08-14 14:38  nice!(0)  コメント(0) 

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