「抱く女」 [読書]
桐野夏生さんが書いた、「抱く女」。
タイトルも、普通に連想される「抱かれる女」ではないところが
桐野さんのこだわりなのかもしれない。
自分より2歳上であるが、ほぼ同年代の桐野さん。
ほぼ同じ時代に青春を過ごしたので、時代背景もよくわかります。
前に読んだ、小池真理子さんの小説も良かったが、この本も面白い。
浅間山荘事件、学生運動、マージャン、喫茶店、酒、恋、煙草、男と女。
みんな今では、すべて懐かしく、やっぱりほろ苦い。
主人公の三浦直子が感じたことは、若かった桐野さんの思いだろうし、
当時の若者がもっていた時代の閉塞感や奔放さ、
勉強しなかったことも含めて、いろいろ自分にも蘇ります。
小池さんの小説もそうだが、
書かれた文章は、女性特有のタッチを感じさせます。
男の作家には絶対書けません。
今となっては、直子の親の気持ちもよくわかり、とても切ない。
2019-02-22 20:15
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