「帰郷」 [読書]
いま時期に、帰郷と書くと「故郷に帰る」となりますが、
今回は浅田次郎さんの「帰郷」という短編小説です。
このお盆や終戦記念日の季節になると、戦争や終戦のことを
想い出しますが、それで買ったわけではありません。
表紙には「帰郷」と書いてありますが、
収められている帰郷のタイトルのフォントは、
歸はPCでも出てくるが、郷の古い字体は出てこない。
旧字体の鄕は出てくるが、間が白にヒというのは出てこない。
異体字とか言われているようで、戦前は使われていたらしい。
浅田さんも戦後生まれなので、いろいろ調べて
戦前に使われていた字にこだわったのだろう。
終戦後に焼け野原に帰ってきて、自分が戦死したことに
なっていたり、白い服を着た傷痍軍人がいたり・・。
軍隊では殴ったりビンタは当たり前、南方で食べるものが
なくて苦労した話など。
軍隊での様子などは、自衛隊経験のある浅田さんの定番です。
傷痍軍人が神社の入口に座っていたのは、
自分が小さい頃に見たことがあります。
戦前の軍歌のようなのが流れていて、当時は
ホントにかわいそうな人だ、と思っていました。
その後、いろいろな人の話を聞くうちに
「金鵄のもとに」に出てくる人のような人も
いたのだろう、と理解しました。
2019-08-11 12:29
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