「活動寫眞の女」 [読書]
浅田次郎さんの「活動寫眞の女」。
何という面白い本でしょう。
読み始めるとすぐに引き込まれてしまいます。
昭和40年代後半の学生運動があった頃に、
京都太秦を舞台にした映画というか活動寫眞の草創期たる
時代の話が繰り広げられます。
マキノ省三や山中貞夫、永田雅一など実在の人物も登場し
リアリティのある小説になっています。
また、大映、日活、松竹、東映などもうまく組み込まれていて、
小説家はこういう下調べにたくさん時間がかかるのでは、とも思う。
そして、京都弁。100%その通りなのかは私にはわかりませんが
映画の衰退期でもあった昭和40年代の太秦の枯れた用途と
相まってリアルな話になっています。
そういえば、太秦には1996年頃だったか遊びに行きました。
昭和40年代後半の頃の話で、自分の学生時代と近くて、
三谷や清家忠明、早苗といった登場する学生の生活にも、
自分のほろ苦く懐かしい学生時代を思い出してしまいます。
浅田さんとか宮本輝さん、小池真理子さんといった
自分と年代が近い作家の話は面白い。
2020-05-18 15:50
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