月島慕情 [読書]
浅田次郎さんの、「月島慕情」。
「月島慕情」の他、6編の短編が載っています。
月島慕情は、明治26年巳年に信州あたりで生まれた
ミノが吉原に売られ、そこで太夫となり名を挙げて、
大尽?に身請けされる、というストーリー。
若くてカタギの人間ではない大尽が大金を遊郭の主に払って
太夫を見受けしてもらうはずだったが、ミノが
ふと知ってしまった大尽の本当の姿。
やっぱり、浅田さんの小説には最後にどんでん返しというか
大きな転結が作られています。
月島慕情のそこまでの順調な成り行きを呼んでいて、
それがいつくるか、いつくるか、と待っていると
最後にきます。
月島は明治に埋め立てられ、初めは埋立地なので「築島」と
呼ばれたそうですが、月がきれいなので月島になったそうです。
鳥越神社での酉の市とかもよく描写されています。
この短編集にある、「供物」も、最後にくるクライマックス。
これもよくできています。
少し前にテレビで放送していたので録画してみた、鉄道員(ぽっぽや)。
原作の方がいいが、この映画もまあまあでした。
どうでもいい話ですが、高倉健がかぶっていた国鉄の帽子のマーク。
私の父の帽子についていたのと同じ、ホンモノだった・・。
話は戻りますが、月島慕情に出てくるミノが生まれた
明治26年は巳年なのでミノと名づけられた、となっています。
明治26年といえば、私の祖母が生まれた年、
そして私も昭和28年の巳年生まれ、その時祖母はちょうど60歳。
ということは、祖母が生きていれば、昨年で120歳ということになります。
祖母はミノと同じ歳であり、巳年つながりで考えると、
明治はついこの前のような気がします。
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