「蛍川」 [読書]
宮本輝さんの「蛍川」。
短編が2つ載っているこの本。
もう1つは、「泥の河」。
こちらが先に載っていたので、先に読みました。
この、「泥の河」は1977年に太宰治賞を受賞したようです。
その後映画化もされたようです。
大阪の土佐堀川とか大川、堂島川が注ぐ大阪湾近くが舞台。
戦後それほど経ってない風景や匂いの描写がすごい。
着ていた服や食べ物、昭和30年代前半は日本みんなこんなもんだった。
読んですぐ引き込まれてしまいました。
映画も見てみたいと思いました。
そして、「蛍川」。
こちらも昭和30年代の富山が舞台。
数奇な経歴をもつ一家が落ちぶれていくが、
こんな話は戦後たくさんあったに違いない。
大雪の後に現れる蛍の大軍を求めて、彷徨う様子。
最後はよくわからないが、なんとも素晴らしい描写です。
自分より年上だが、そんなに違わない宮本さん。
宮本さんの小さい頃の経験も入っているはずです。
昔に戻りたいとは思いませんが、
テレビも電話もインターネットもなかった時代。
下駄もあったし、水がめとひしゃく、ツギハギのある
服や靴下。遊びは、海や川や山だったし、
チャンバラには適当な木を使い、遊ぶのは
単純なモノだった。
子供が垣間見るオトナの世界がこれらの本に
書かれていますが、自分が小さかった時のことを
ふと想い出したりします。
2018-12-01 16:50
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