「夢見通りの人々」 [読書]
宮本輝さんの「夢見通りの人々」
もう昭和のニオイいっぱいというか、昭和に書かれた本のようで
昭和の大阪の下町の暮らしが描かれていて懐かしい。
難波の少し南にある「夢見通り商店街」が舞台という設定。
今のように郊外ショッピングセンターやスーパーが少なかった頃、
街には商店街があり、肉屋、時計屋、カメラ屋、タバコ屋、中華屋
などが並んでいた。もちろん、携帯電話・スマホもない。
そんな商店街で、クセのあるキャラクターの人々が繰り広げる話、
しかもその短編小説がつながっている。
昭和が懐かしい。
クセのあるキャラクター、と書きましたが、
世の中の人はみんなそれぞれクセがある、とも言えます。
平成から令和になり、商店街は廃れ、集合住宅では特に人のつながりが
なくなってきてきています。一戸建てでも同じ傾向です。
昨年からのコロナによって、それがさらに増幅されている感じです。
仕事でも人との接触が減り、これでやっていけるのか、とも思う。
夢見通り商店街に登場する人間味あふれる人たち。
肉屋の兄弟、げえやん、シャレードのママ、パチンコ屋の娘を
孕ませた時計屋の息子、パーマや修行の娘、とか。
東京にも昭和のニオイのする商店街はたくさんありますが、
私は大阪ミナミの少し怪しい商店街が好き。
この本は、昭和の時代をのぞきにいくのにいい本です。
2021-02-11 11:07
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