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「宇喜多の捨て嫁」 [読書]

木下昌輝さんのデビュー作?「宇喜多の捨て嫁」。
宇喜多の捨て嫁.jpg

この前読んだ「宇喜多の楽土」は、宇喜多秀家が主役だが、
今回は秀家の親 宇喜多直家の話。

7年近く前に ”道三は二人いた?” 
https://stationtraintown.blog.ss-blog.jp/2014-06-07
にも書きましたが、戦国時代の三大梟雄の一人、宇喜多直家。

全部で6篇ありますが、まだ「宇喜多の捨て嫁」しか読んでいません。
木下さんは史実を調べ上げて書いたと思いますが、まあ読んで面白い。
だいぶ木下さんの創作によるところが多いのでは、と思ったりも
しますが、だいたい史実なんてものは誰かが書いたものを
写したりして残っている紙なので、だいたい怪しい、と思った方がいい。

坂本竜馬や海援隊を信奉する人が多いようですが、
彼らだって本当はどういう人だったかわかりません。
司馬遼太郎が書いた作品によって、彼らが英雄にまつりあげられたのではと思う。
明治維新だって、明治維新はすごいことをやった、と、
”官軍”が広めたに過ぎず、明治維新以来、第二次大戦終了まで
国の予算は主に戦争に使われていて、国民のために使われて
こなかった、という事実はあまり知られていない。
岩崎弥太郎だって、当時の政府に取り入って、賄賂し放題、
今でいうインサイダー取引は当然のようにやって儲けた。
三菱に限らず、旧財閥系企業がさくさんありますが、基本はみな同じ。

宇喜多直家だって、暗殺や政略結婚、裏切りなど悪評は多いが
本当はいい人だったかもしれない。
戦国のとき、備前や美作あたりは群雄割拠ならぬ中小藩乱立で
領地をとられた、殺された、裏切られたというところだったらしい。
こういうところだから血なまぐさいことが起きたに違いない。

比べ、相馬中村藩は伊達との小競り合いがあったくらいで、
関ヶ原不参加の懲罰も避け、幕末までの数百年侵略されることなく
済んだので相馬野馬追という軍事訓練が続けられたのかもしれない。

捨て嫁と言われながら、婚家の嫁になりきり、悲劇を起こしてしまう。
”捨て石”にちなんでつけられた ”捨て嫁”。
歴史小説は、面白い。


2021-04-17 14:26  nice!(0)  コメント(0) 

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