「妾屋の四季」 [読書]
初めて読んだ上田秀人さんの本「妾屋の四季」。
どうやら、上田さんが書いた「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズが
たくさん出ています。
話は痛快で面白い。
なるほど、妾屋は信用が大事な商売というのがわかります。
常陸の国相馬郡の百姓の娘が出てきたり、会津藩や会津屋とか、
弘前藩と南部藩は仲が悪い、とか、出てくる設定も面白いし、
吉原や娘を売る話など、山城屋は江戸の神田あたりの設定か。
最後の夏の章にいたっては、結末が見えるような罠の話。
そして、この本に出てくる「忘八」という言葉の意味を知りました。
検索するとすぐ出てきますが、
《仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌(てい)の八つの徳目のすべてを
失った者の意から》郭(くるわ)通いをすること。また、その者。
転じて、遊女屋。また、その主人。
村八分の意味は知ってましたが、忘八の語源は知りませんでした。
日本語は歴史があり、豊富な表現があります。
妾屋という商売が本当にあったかどうか、わかりませんが
現代の風俗や一部の金持ちを想像すると、その手の怪しい紹介業は
昔からあったのではと思う。