SSブログ

「いのちの姿」 [読書]

宮本輝さんの、エッセイ集「いのちの姿」。
いのちの姿.jpg

宮本さんの生まれてからの経験などから出た話で、どれも興味深い。

「泥の河」や「真夏の犬」に出てくる大阪湾に近いところ、
「朝の歓び」に出てくる北陸の風景、
「青が散る」に出てくるテニスや神戸といったところ、
みんな宮本さんの小さい頃からの原風景をもとに
書かれている話というのがよくわかりました。

この「いのちの姿」では、神戸のトンネル長屋の話は面白い。
昔はこんなのが普通にあったのだろう。
自分も30年以上前住んでいたところの近くに
長屋のようなアパートがあって、
変わった経歴をもつ住民がいたことを思い出しました。
だいぶ年のおじいさんが、自分を病院まで車で連れていって
と言われ、救急車を呼んであげたら、すぐ亡くなった、のです。
自分の車の乗せている時に容体が悪化したら、
など考えると、救急車を呼んであげて良かった、と思う。
そこには、いわくつきの人が住んでいました。

「そんなつもりでは・・」に出てくる
富山藩が財政難の薩摩藩と結託して
幕府に背いて清国から薬の材料を密輸する。
今でいう瀬取りなのかもしれない。
それで薩摩藩は大儲けしたので、その資金で
倒幕運動をした、ということになるのです。
そんな話も面白い。


2019-07-19 14:55  nice!(1)  コメント(0) 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。